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原産地証明書で関税の優遇措置を

原産地証明書とは?

原産地証明書とはその名が表す通り、当該物品がその地で製造されたり加工されたと言う事を証明する書類です。

英語ではCertificate of Origin、C/Oと略されたりもします。

原産地証明書の使用用途

関税率にも色々有りますが、当該物品の輸入時に特恵税率など有利な税率の適用の可否は原産地次第なので、その原産地を証明する為に提出するのが原産地証明書となります。

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原産地証明の種類

一般の原産地証明書の発行者による分類

一般に原産地証明書は、当該物品の原産地を証明する為の書類です。

その一般の原産地証明書を大きく分けると、発行者が自己なのか他人なのかに分かれます。

第3者証明は輸出国に存在する商工会議所、官庁、輸入国領事館、 信用状の受益者(Beneficiary)、当該物品の製造業者などが発行する事になります。

原産地証明書は日本では各地の商工会議所が発行機関とされています。

特定原産地証明書とは?

特定原産地証明書は日本が外国と締約した経済連携協定に基づき、定められた特恵関税の適用を目的とし、それぞれの協定に基づく様式で発行されます。

日本が経済連携協定を締結しているのは以下の国々となります。

シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、アセアン、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル

特定原産地証明書は日本では日本商工会議所のみが発行出来ます。

特別な原産地証明書、フォームA(Form A)とは?

フォームA(Form A)は開発途上国の経済発展の促進をの為に、一般特恵関税の適用を目的とした特別な原産地証明書です。
だから日本が発行する事は有り得ません。

開発途上国から日本へ輸入する品目の中には特恵関税が設定されているものがあり、その特恵税率を適用してもらう為にはフォームAを提出しなければなりません。

輸出をする開発途上国の発行機関から入手し、日本へ輸入する際に税関に提出すれば一般特恵関税の適用を受けられる様になります。

原産地証明書の申請期間

第3者機関次第だと思われますが、こちらでは東京商工会議所の場合で説明します。

東京商工会議所では原産地証明書の申請は原則としては船積みまでとなりますが、船積み以降であっても6ヶ月以内までは通常通りの申請が可能と言う事です。
船足にも因りますが、現地での輸入の際に使用するのがほとんどでしょうから十分ですよね。

想定がよくわかりませんが、船積み後の6ヶ月〜1年以内は別途典拠資料が必要となり、1年を超えた場合は原産地証明書は発給できなくなるそうです。

原産地と判定される基準

これは予てから疑問を持ち続けていました。

製造された物品と言うのは或る程度基準が明確かもしれませんが、加工された物品と言うのはどこまでしたら認められるのかと言う点がわからなかったからです。
それこそ海外で製造された物品を、国内で流通加工の検品をしたから国産とされてしまったら何でもかんでも国産品となってしまいます。

Made in ◯◯ とは、一体どこまでしたら謳える様になるのでしょうか?

完全生産品

これはわかり易いですよね。

生産品と言われると何か不思議な気分となりますが、例としては日本で獲れる鉱物資源や動植物、魚介類などと言う一次産品が挙げられていました。

実質的変更基準を満たす産品

悩ましいのはこちらの、一次産品を加工して作られる二次産品です。

これを少しだけわかり易く補足すると、日本で加工又は製造した事によりHSコードの上4桁が変わる場合は日本製とすると言う事なのです。

こちらの2つの例を挙げて説明していました。

鉄鉱石(HS2601) + 石炭(HS2701) + 石灰岩(HS2521) + フェロマンガン(HS7202) => ステンレス鋼製パイプ(HS7304)

※輸入された4種の部材が輸入国で加工された事により、HSコードの上4桁が変更されているので、このステンレス鋼製パイプは輸入国産となる

これはいずれにせよなるほどと言う感じですよね。

半導体メモリ(HS8542) + CPU(HS8542) + 液晶画面(HS8471) => パソコン(HS8471)

※輸入された3種の部材が輸入国で加工されたが、HSコードの上4桁が変更されていないので、このパソコンと同じHS8471の液晶画面が製造された国産となる

こちらが..唸ってしまうところです。

HSコードの上4桁が変わらないからと言うのはわかりますが、液晶画面がパソコンになっても認められないと言うのはちょっと厳しい感じがしてしまいますよね。

その他にも下記の様な基準が存在しています。

また原産地の基準は各国との協定の内容を加味された、複雑な品目別原産地規則を参照しなければいけないので、その判断は極めて難しいと言わざるを得ません。

税関の原産地規則ポータルはコチラです。

だから税関では税番のみならず、原産地の判断についても事前教示を受け付けています。

そして今迄の回答事例を公開していますので、裁判の判例の様にそれらを参考に学んでいくしか無さそうです。

税関の事前教示回答(原産地)事例一覧表はコチラです。

だから結論としては悩まず、原産地の判断も事前教示などの仕組みを利用して税関に相談していきましょう。

原産地証明書のまとめ

原産地証明書は単純に言えばどこで作られたかを証明する為の書類です。

しかしながらどこで作られたかと言う基準判定は何気に難しく、原産地規則と照らし合わせが難しいので、その様な場合は税関に事前教示の相談をすると言うのが得策だと考えられます。

そして発展途上国からの輸入で特恵関税を適用してもらう為には、通常の原産地証明書では無くフォームAを取り寄せなければならない訳です。

原産地証明書の周辺でもコスト削減が出来る可能性が有りますので、是非上手な活用法と言うのを身に着けていきましょう!

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