中国企業の正体は企業名を見たらピタリとわかる?
海外企業の調査、あなたはどの様にしていますでしょうか?
きちんと与信調査をやるのであれば長い実績を誇るD&Bレポート、所謂ダンレポートが頼りになる事でしょう。
(今は東京商工リサーチが扱っている様ですね。)
しかしながらそうまでしなくとも、実は中国企業の場合、名は体を表しまくっているのです。
それって一体なぜなのでしょうか??
中国では企業名を付けるルールが管理されている
中国の行政機関である国務院は企業名称登記管理規定の改訂版を2021年3月から施行しましたが、その大まかな概要は下記の通りとなりました。
- 事前認可から自主申告制度に変わったが、企業名が他社の合法的な権利侵害した場合、法的責任を負う事に承諾
- 企業名に対して基本的な規範を改善し、禁止事項を細分化
- 企業名紛争の対応メカニズムを人民法院に提訴など構築
- 企業名が規定に適合しない場合は、登記を行わない場合や、是正勧告が行われる
どうやら初版は国家工商行政管理局から30年も前の1991年に公布された様ですが、紛らわしい企業名によるトラブルと言うのが絶えなかったのか二回の改定を経てどんどんと厳しくしてきている様ですね。
因みに企業名に中国、中華、国家などを使用したい場合は厳格な審査を受ける必要が有るとの事ですが、これを通過して冠する事が出来ている企業は一流と言えるかもしれません。
中国の企業名=行政区名+商号+業種または企業の特徴+組織形態
企業名称登記管理規定では、企業名の名付けのルールを規定しています。
どうやら企業目には下記の四項目がその順番で並ぶ様にならなければいけない様なのです。
行政区名
行政区分の大小関係は第一級行政区(省級)> 第二級行政区(地級)> 第三級行政区(県級)> 第四級行政区(郷級)となりますが、県級以上の名称を使用しなければならない様です。
しかしながら事業が省、自治区、直轄市を跨いで行われる場合は、省略する事が可能となっています。
商号
ここが或る意味本当の企業名ですね。
業種または企業の特徴
どの様な事業が行われているかを伝えるのは或る意味センスが見え隠れするところかもしれません。
ここでも事業が多業種に跨いで行われる場合は、省略する事が可能となっています。
組織形態
有限責任会社や株式会社など組織の形態を表しています。
まとめ
それではまとめとして2問のクイズを出すので考えてみて下さい。
これらの中国企業名からは一体何がわかるでしょうか?
中国企業名クイズ 〜その1〜
Dongguan △△△ Jewelry Co., Ltd.
東莞市にある株式会社形態の△△△と言う名前の宝飾メーカー
※メーカーの場合は他に商品名+IndustrialやProductsやFactoryと言うフレーズがよく使われます
中国企業名クイズ 〜その2〜
◯◯◯ Trading Ltd.
行政区を跨いで事業を行う有限責任形態の◯◯◯と言う名前の商社
※商社の場合は他にImport&ExportやCommodityと言うフレーズがよく使われます
まあ、両方ともきちんと企業名を記載していればと言う前提ですが、いずれにせよ日本の企業名よりも、かなり正体が透けて見えますよね!
..しかしながらメーカーの様に名称を偽造している商社も居る様なので注意して下さい!!
(勿論、商社だから悪いと言う事ではありませんよ!)